2009年06月27日
かおるさん
むかーし昔、50年以上まえのお話です。
近くにかおるさんという「鳥追い」のおばさんが
掘っ建て小屋に、不倫のおじさんと暮らしておられました。
時々、着物に鳥追い笠、下駄を前つめりに履いて
我が家の庭に三味線ひきに来られてました。
汚れた着物がテカーッとして、ふんふん臭いました。
(歳を思い出しても???40は過ぎとったたかなぁ)
たまに、私ら子供を威嚇するような感じはあった・・・
その掘っ建て小屋は、私らがよく遊んでいた池の
対岸にあった。
(ちょっと怖いけど、悪がきの私らには興味津々)
(多分、女の子は私ひとり・・・・・)
掘っ建て小屋に石を投げて
「かおるさんのアホー」とかなんとか叫んだと思う。
池は大きくて石はすぐ傍にポチャンと落ちてしまうけど
何人もで「あほー」と叫ぶので、とうとう、かおるさんが
小屋から出てきて、こっちを見ていた。
それでも、叫んだので、ゆっくり池のまわりを歩いて
私らのほうへ向かって来ていた。
「逃げーッ」ってだれかが叫んだので走り出した。
かおるさんも、走って追いかけてきた。
みんな、必死で走った。
かおるさんももの凄い速さで追いかけてくる。

自分の家も通り越して、ダーッと走った。
脚が千切れそうなくらいはしった。
その当時、引っ越してきて間のないおうちがあって
其処の子は私と同じくらいの女の子だった。
おばちゃんとそこのTちゃんが家の裏にいたので
「かおるさんに追いかけられとんねん、隠れさして」
言ってるすぐそこにかおるさんが・・・・・
物置にハァハァ言いながら隠れさせてもらった。
かおるさんがすぐ来たので、息を殺して小さくなっていた。
すると、かおるさんが急に「このガキッ」と言っている。
「この子やないがな」というおばちゃん。
「いいや、この子や」と言いながら手をあげているかおるさん。
其処の子は、なんでか三輪車に乗ってたような気がする。
(もう大分大きかったはずやのに・・・)
ワーッと泣いている。
もう絶体絶命!!!
おばちゃんは私らが隠れていることを言うだろう
Tちゃんも怖いから「あそこにおる」言うだろう
ガタガタ震えながら、金縛りにあったように動けなかった。
おばちゃんがどう言ってくれたか、今では思い出せない。
かおるさんが、去っていくのを充分確かめてでていった。
おばちゃんもTちゃんも、何にも言わなかったような・・・・
おばちゃんは「もうしたらアカン」くらいは言ったかなぁ。
半世紀以上たっても、あの時の恩はわすれられない。
したらいかんことをやった、という思いはずっともっていた。
かおるさんは、ずっと前になくなった。
不倫のおっちゃんもとっくの昔にいない。
もちろん小屋もないと思う。
おばちゃんも90歳近い、Tちゃんはきれいな人で
お嫁にいくまで仲良くしてもらった。
今は、もう孫がいるようだ。
私はほんまにイタズラばかりで
「男に生まれたらよかったのに」と言われていた。
なんでか、お母ちゃんになってしまっているけれど・・・・・

近くにかおるさんという「鳥追い」のおばさんが
掘っ建て小屋に、不倫のおじさんと暮らしておられました。

時々、着物に鳥追い笠、下駄を前つめりに履いて
我が家の庭に三味線ひきに来られてました。

汚れた着物がテカーッとして、ふんふん臭いました。
(歳を思い出しても???40は過ぎとったたかなぁ)

たまに、私ら子供を威嚇するような感じはあった・・・

その掘っ建て小屋は、私らがよく遊んでいた池の
対岸にあった。
(ちょっと怖いけど、悪がきの私らには興味津々)
(多分、女の子は私ひとり・・・・・)
掘っ建て小屋に石を投げて
「かおるさんのアホー」とかなんとか叫んだと思う。
池は大きくて石はすぐ傍にポチャンと落ちてしまうけど
何人もで「あほー」と叫ぶので、とうとう、かおるさんが
小屋から出てきて、こっちを見ていた。
それでも、叫んだので、ゆっくり池のまわりを歩いて
私らのほうへ向かって来ていた。
「逃げーッ」ってだれかが叫んだので走り出した。

かおるさんも、走って追いかけてきた。

みんな、必死で走った。

かおるさんももの凄い速さで追いかけてくる。


自分の家も通り越して、ダーッと走った。
脚が千切れそうなくらいはしった。

その当時、引っ越してきて間のないおうちがあって
其処の子は私と同じくらいの女の子だった。

おばちゃんとそこのTちゃんが家の裏にいたので
「かおるさんに追いかけられとんねん、隠れさして」
言ってるすぐそこにかおるさんが・・・・・

物置にハァハァ言いながら隠れさせてもらった。
かおるさんがすぐ来たので、息を殺して小さくなっていた。
すると、かおるさんが急に「このガキッ」と言っている。
「この子やないがな」というおばちゃん。
「いいや、この子や」と言いながら手をあげているかおるさん。
其処の子は、なんでか三輪車に乗ってたような気がする。
(もう大分大きかったはずやのに・・・)
ワーッと泣いている。
もう絶体絶命!!!
おばちゃんは私らが隠れていることを言うだろう
Tちゃんも怖いから「あそこにおる」言うだろう
ガタガタ震えながら、金縛りにあったように動けなかった。

おばちゃんがどう言ってくれたか、今では思い出せない。

かおるさんが、去っていくのを充分確かめてでていった。
おばちゃんもTちゃんも、何にも言わなかったような・・・・
おばちゃんは「もうしたらアカン」くらいは言ったかなぁ。
半世紀以上たっても、あの時の恩はわすれられない。
したらいかんことをやった、という思いはずっともっていた。
かおるさんは、ずっと前になくなった。
不倫のおっちゃんもとっくの昔にいない。
もちろん小屋もないと思う。
おばちゃんも90歳近い、Tちゃんはきれいな人で
お嫁にいくまで仲良くしてもらった。
今は、もう孫がいるようだ。
私はほんまにイタズラばかりで
「男に生まれたらよかったのに」と言われていた。
なんでか、お母ちゃんになってしまっているけれど・・・・・


なんか光景が浮かびます(*^^)v
昔って、明らかに変わってる有名な
おじさんやおばさんいましたね~^O^
罪悪感って達成感より心に刻まれてますね。。。
浮浪者を襲撃した事件などを聞く時、
自分のその時のことを思い出します。
大人になってもずっと罪悪感って残ります。